YouTube
Twitter

最終バス乗り過ごしたあとに

アラフォーのおっさんが書くあれこれ。

Face my fears/宇多田ヒカル

 

f:id:ninto_nakahara:20190114033452j:image

 

2016年の復帰からレコード会社移籍後、その活動が活発な宇多田ヒカルの2019年一発目の新曲である。

2016年の復帰作「Fantôme」リリース後は暫くはリリース的に寡黙になるのかなと思いきや、明けて2017年にエピックソニーへ移籍を発表すると数ヶ月に1曲新曲を配信リリースし、2018年初夏には復帰第2作目となる「初恋」を発表。その後宇多田ヒカルとしては12年振りのツアー(Laughter in the dark)を開催し、ここで一息かと思ったらまさかの新曲リリース。

しかも他にその2年の間にリミックスを発表したりもしていて「どうした宇多田ヒカル?!」状態。新しいレコード会社の要請なのか分からないけどこう矢継ぎに作品を発表したりアクションがあるとファンの人には嬉しい限りだろう。

早い時期から「初恋」収録の「誓い」がKH3の主題歌とアナウンスされ、同時にその英語版「Don’t think twice」やエンディングにそのリミックスも制作しゲームソフトの発表時期にシングルカットするんだろうくらいは予想に難しくなかったけど、まさかの新曲と共にカットするとは。しかし元々新曲を提供する予定ではなく内情は「誓い」のリミックスをSkrillexに依頼したところリミックスではなくオリジナルを共同で制作したいと逆オファーされた経緯があるという(因みに彼はKHの大ファンらしい)。

(追記)

Skrillexのインタビューによると「誓い」のリミックスオファーは16年には既にあったらしい。しかし曲調やメロディが難しいためリミックスを断り、共作を提案したとの事。そしてこの「Face My Fears」は17年末には納品していたと発言している事から、恐らく既にFantôme制作後辺りから存在していたことになる。

ソース↓

スクリレックスが語る、宇多田ヒカルとの出会い&『キングダム・ハーツ』への思い「公開された時は夢が叶った感じだった」 | Special | Billboard JAPAN

 

18年末からプレビュー版が宇多田ヒカルの公式YouTubeで公開され、1ヶ月後の現在、日本語バージョンが61万回、英語版はなんと105万回再生されている。勿論「キングダムハーツSkrillex」という話題性もあるだろうけど今世界中で注目されているんだなぁ。

 

そして肝心の曲であるが…

イントロからピアノのフレーズが流れ、初恋も全体的に鍵盤のアレンジが印象的だったのでアルバムの流れ的な印象を受けていると「let me face,let me face,let me face my fears」と呪文のようなメロディのサビの後、もう一度サビの繰り返し…なのだが度肝を抜くような、ボーカルさえ加工バリバリのエレクトロというかEDM全開のサビ。いや、全開というよりもはや全壊である。skrillexというアーティストの作品はあまり良く知らないので詳しくは言えないけどサビ後半は完全に彼のカラー一色そのものでちょっと拍子抜けすらしてしまう展開。これは…聴き手を選ぶというか試される感じ。まるでリミックスみたいなのだ。逆にこの曲をライブでどう再現されるのか興味が湧くけどね。

 

「ふがやふがやふがやふんがふんが…」

 

最後のサビ前には何処かの国の言葉の様な不思議な言葉で歌われる。この展開にふとUTADA名義の”F.Y.I”を思い出した。

この歌の歌詞の一部(Om mani padme hum)は六字大明呪という陀羅尼が出てくる。この歌との関連はないと思うけどどんな意図があるのかちょっと気になるところ。

もう一つ個人的に気になったのは前作の主題歌「PASSION(英詞バージョンは”Sanctuary”)」とキーが同じ。コードワークもシンプルという点でも近い。

 

でもそこは重要ではなくて単に偶然だったのかもしれないけど。さらに加えるとSanctuaryにも「Fear」って単語が出てきたり…うーん、考え過ぎか。

 

しかし何度も聴いているとその違和感にも段々慣れてきて「これはこれであり」とまではいかなくても復帰以降の作品の中では一番好きかもしれない。作風も「初恋」や「Fantôme」で続いたアコースティックで柔かく丸っぽい音の対極でガツンと音圧感もあるし「この手の感じは宇多田ヒカルとしては久々な感じだなぁ」と思うに連れやはりアレンジは彼女だけでやらない方がいいなと改めて実感したのも事実。彼女だけのアレンジ曲は何かパンチが足りないというか…。

 

突如upされたリミックス。よりポップなダンスミュージックに仕上がってます。

 

 

メロディとか全然良いのにそれをもっと活かしたアレンジが欲しかったな、というのが個人的な感想でした。ある意味衝撃的なサビは印象深いところもあったけど…例えばPASSIONみたいに最後に大サビが突然出てくるとかね。余談だけどそのPASSIONもシングルの表記に「Single Version」ってあったから「だとしたらアルバムに入る時はアルバムバージョンとかなのかな??」って結構期待してたんだけど、あっさりシングルバージョン収録だった時はちょっと「ガクっ」ってなった覚えがあったなぁ(そう表記した理由も後日分かったんだけど)。

 

とは言え、アコースティックなイメージの「初恋」から一転した曲調は好印象でした。

 

次の新曲はどうでるでしょうか…?!